せっかく、澤田先生の講演を聞いたので、8月に出版されたばかりの新書を読んでみました。
科学者たちが、科学的事実と合理的思考で迫った対話ドキュメントとなっています。
今後、原発をどうしていったらいいか考える時にとても参考になる本となっています。
そういえば、すっかり忘れてましたけど、原発の再稼働について賛成の学者さんたちはみんな「御用学者」って呼ばれてましたね。ご苦労が・・・。
気になったのは、例えば小さなリスクにこだわって大きなリスクを導入していること。竜巻が起こる可能性を考えて、発電車を発電所から今よりも遠くに置くというのが、1つの例で挙げられています。日本では発電車が吹き飛ぶ竜巻が起こる可能性がものすごく小さいのに、竜巻のリスクにこだわるんですよね。こういう判断をしてると再稼働して大丈夫か?とは思う。結局、人の判断ミスのほうが怖いんですよねぇ。
ほとんどの国が原子力政策を変えず、むしろ増やそうとしているので、再稼働しないと、技術的、経済的にもまずいでしょう。ただ、15年かけて、やめる方策を考えるのが世界標準みたいです。
そういえば、読んでいて、原発に関して前から不思議に思っている点が1つあって、それは福島原発の話になると、なんでドイツが反応するんだろうってこと。事故があった時も放射能の分布予想図をいち早く公開したし、日本政府がコントロールできていると発表しても、コントロールできていないというドキュメンタリーを放送している。なんで、と思ってたんですが・・・そういえば、ドイツは反原発だった。納得。