みなさん、こんにちは、こんばんは。
今日は本の紹介。2005年にノーベル経済学賞を受賞しているトーマスシェリング著で「ミクロ動機とマクロ行動」。
「マクロの結果は個人の考えているようにはならない」。クルーグマンが『自己組織化の経済学』で絶賛した、トーマスシェリングの代表的著作。
冒頭は講演会場で聴衆が前12列は誰も座らず、13列以降にびっしりと座っていたケースから始まる。セミナーで最前列に誰も座らないという光景はたびたび見るが(海外でもこの現象は起こるんですね(笑))、たしかに、最前は嫌だけど、できるだけ近いところで聴きたい人が2列目に座って、最前列に誰も座らなかった場合、どうせ最前になってしまうのならば、2列目に座らず最前に座ったほうが得だったことになる(2列目に座った人はできるだけ近いところで聴きたかったから)。
他にも、多くの人がクリスマスカードのシステムを罠のようなものだと考えており、よい習慣だと思う人たちでさえ、すくなくとも部分的にはばかばかしく、不合理で実に腹立たしいと感じている。にもかかわらず、毎年シーズンになると、せっせとクリスマスカードを贈るのである!。まるで、年賀状のようだ(;^_^A
人はミクロの動機で行動をするが、マクロの結果は個人の考えているようにはならないのである。
この本、去年の11月に出た本ですが、去年のうちに読んでいたら間違いなく、2016年のお勧め本の1冊に入ってきた本だったな。もっと早く読めばよかった!。マクロ経済学が好きならお勧めの1冊です。
最初のほうは上に書いたように比較的簡単な事例をもとに、なんてこんなバカな行動になるんだ的な話が多いので面白おかしく読めます。途中あたりから、数式とか出てくるので、この辺りは経済学の基本がわかってないとつらいかな。最後は核やその他の武器がマクロ経済学的にどうバランスをとっているかについても書かれているので、とても興味深い内容になっています。
交流会で、最初はバラバラでも、いつの間にか女子で固まっていたりすることは、よくある光景ですが 、マクロ経済学的に分析すると、こういう人の流れになるんだ!ということがわかって、よかった、よかった(^^)/