田中秀臣先生が今年の経済書で特に薦めていた本。
人をやる気にさせるものは何か、人はインセンティブにどう反応するかを解き明かす。
お金がインセンティブにならない例。
ある凍えそうに寒い朝、お隣さんが空き缶を大きな袋にいっぱい詰めてリサイクルセンターに運んでいた。
これだけみると、環境を守るために偉い人だと感じる。が・・・町が方針を変更し、空き缶1個あたり5セントもらえることになったとしたら。急に、お隣さんはなんで2束3文のために汗水たらしているんだろうと思うようになるかもしれない。
お金をインセンティブにした場合に逆効果になってしまう例です。
他にもいろいろな例を経済学を切り口に実地実験を行い解説している本。
女が男ほど稼げないのはなぜか、子供の成績を上げるには?など。
ベースがアメリカなので日本と違った面も多々ありますが、いろいろと参考になる点が多かったです。
印象に強いのは、いまどきの差別。
「あんた黒いよな。あんたは自分で好き好んで黒いわけじゃない、それはオレにもわかる。でも、いったいぜんたい、なんであんたユダヤになんてなったんだ?」
なるほど。
- 作者: ウリニーズィー,ジョン・A.リスト,Uri Gneezy,John A. List,望月衛
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2014/08/29
- メディア: 単行本
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