西の風、猫の目

黒猫のミッツのブログ

【書籍】経済政策で人は死ぬか? 公衆衛生学から見た不況対策

 みなさん、こんにちは、こんばんは。

 最近の趣味はマクロ経済学と答えることにしている、みっつーです。

解散、総選挙で騒がしくなっておりますが、消費税の増税に賛成してるのも自民党なら、増税に反対しているのも自民党という、非常にわかりずらい構図になっていて、説明しにくいことこの上ない。

どこが政権を取るにしても、経済政策を間違えるととんでもないことになりますよっていうことがわかる本が、今日紹介する本「経済政策で人は死ぬか?」です。

 経済政策というものは効果の裏に必ず副作用なるものがあるのだが、効果の部分しかクローズアップされないものである。例えば「この経済政策を実施すれば財政赤字が短期的に0.3%下がるが、その代わり2,000人の死者が出ると推測される」という説明はなされない。「この経済政策を実施すれば財政赤字が短期的に0.3%下がる」と財政赤字の解消の面だけがクローズアップされてしまうのである。

そして、この本は世界恐慌以降、医療費削減や、金融引締めなどの緊縮財政を行った各国がどれだけ死者が増加するか、失業者が増えるとどれだけ自殺者が増加するかをデータをもとに検証している。

経済学者のケインズの主張として紹介されている「失業者をそのままにして失業手当を払うより、その分の紙幣を瓶に詰め、失業者の半分を雇って穴を掘って埋めさせ、残りの半分を雇ってその瓶を掘り出させるほうが景気対策としては有効である」はなかなかいい得て妙である。 

いろいろなニュースで増税すれば日本は大変なことになる、みたいな大変ってなにがどう大変になるん?ってよく思っていたのだが、この本は非常に解りやすくそれが書かれていて大変参考になった。

 

ところで、お恥ずかしいかぎりだが、今更ながら一口に経済政策といっても、金融政策と財政政策はまったく別物だということがよく分かった。

金融政策で景気が戻ろうとしたところを消費税を8%にした財政政策で失敗したのだから、いったん消費税を5%に戻して、4月あたりの景気まで戻すのが正しい政策な気がするのですが・・・。

 

経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策

経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策